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世界の巨大地震 トップ3

地震関連でよく聞く「プレート」という言葉。これは地球の表面を覆う厚さ100㎞ほどの岩盤のことをいいます。地球上に10数個存在し、このプレートがずれることにより、世界各地で地震が起きています。 日本は、4つのプレート(北米プレート・太平洋プレート・ユーラシアプレート・フィリピン海プレート)のぶつかり合っているため、世界的にも地震が多い地域になっています。

今回は、その日本以外で発生した、巨大地震トップ3を紹介します。

マグニチュードの大きさ、建物の倒壊数、被害者数など、様々なランキングがありますが、今回はこれらを総合的に判断したものにしています。

No.3 ハイチ地震

ハイチ時間2010年1月12日16:53にハイチ共和国で発生したマグニチュード7.0の地震。

カリブ海に浮かぶハイチ共和国を襲った大地震は、北米プレートとカリブプレートの境界線近隣で、震源が浅い直下型地震でした。

死者は31万人ほどにおよび、また150万人が家を失ったと言われています。

治安悪化と略奪

ハイチでは、長年不安定な政情が続いており、政府の行政能力が非常に低くなっていたことから、地震発生後に家の下敷きになっている人たちの救援救助、被災者への保護等緊急対応がほぼ全くできていませんでした。遺体も搬送できないまま道路や空き地に放置され、停電・断水とライフラインも絶たれ、更には病院や医薬品も不足しているという悲惨な状況だったようです。

そんな中、特に首都ポルドープランスでは、食料や日用品など、使用可能な物品を求めて商店から民家まで略奪行為が横行し混乱状態が続きました。 その上刑務所が崩壊し、受刑者4,000人が脱獄するという想像を絶するカオスな状況が広がっていたといいます。

パンケーキクラッシュ

もともと政治の機能不全に陥っていたため、建築業界でも「賄賂」や「手抜き工事」も多く、これが地震による建物の倒壊数を跳ね上げました。「パンケーキクラッシュ」(天井や床が、層のように重なって潰れるもの)を報道で目にして驚いた方もいらっしゃったのではないでしょうか。

住居だけでなく、なんと大統領府や国会議事堂までもが倒壊し、震災直後は大統領や閣僚すら屋内で寝ることができませんでした。 あれから10年。大統領府はいまだ再建に手がつけられていません。

No.2 スマトラ島沖地震

2004年12月26日インドネシアのスマトラ島沖で発生したマグニチュード9.1の地震。

震源はインド・オーストラリアプレートがユーラシアプレートの下に沈み込むことによる海溝型地震の多い地域でした。クリスマスから年末に向かうホリデーシーズンに、海岸近くのホテルや街を津波が襲う映像は、今でも多くの方の目に焼き付いていることと思います。 地震直後に発生した大津波はインド洋沿岸の各国で20万人を超える犠牲者を出しました。

地球の自転に影響が

NASAによると、この地震の凄まじい破壊力により、なんと地球の軸が数センチ移動し、地球の自転に何らかの影響を及ぼしたため、1日の長さが「100万分の1.26秒」短くなった可能性があると発表しました。地震が地軸にまで影響を与えることは驚きです。ちなみにこの程度の短縮であれば、時計の針の調整は必要ないとのことです。

マングローブ

島や海岸近くで発生する地震では、揺れだけでなく津波の被害が多くなります。この地震で影響受けた地域は、熱帯雨林が広がる場所が多く、環境面からもマングローブの減少が問題になっていました。その中で、タイとその他いくつかの地域では、数少ないマングローブの森が津波のエネルギーを吸収したことで、その内地は大きな波に襲われずに済みました。

No.1 チリ地震

現地時間1960年5月22日南米チリで発生したマグニチュード9.5の超巨大地震。

この地震による震源域の長さは1,000㎞にもおよび、東日本大震災と比較しても約5倍のエネルギーを持つといわれており、地球上での観測史上最大となる地震です。

地球を横断した大津波

この地震で発生した大津波は、平均時速750㎞という超高速で太平洋を横断しました。 ハワイ・オーストラリアなど太平洋全域を襲い、地球の反対側にあたる日本にも到達しました。

日本に津波が到達したのは、地震発生の22時間半後、午前3時頃です。揺れがなく、突然津波が押し寄せるのは、今のように情報がタイムリーに得にくいこの時代においては恐怖であったことは想像に難くありません。その中でも大きな被害を受けたのは、三陸海岸です。津波の高さは6メートルを超え、死者不明者は142名、被害を受けた世帯は3万世帯超でした。

まとめ

地震の一番怖いところは、「予測できないこと」と言われています。ただ、それぞれの内容を紐解いていくと、建築基準を満たしていなかった、環境破壊が被害を大きくした、地震に便乗した盗難や略奪が横行したなど、前後にも様々な問題が発生することがわかります。

今話題になっている「SDGs」といった「公」の部分と、防災グッズを用意するといった「私」の両方の側面から、いつか起こるはずの巨大地震に備えることが、今それぞれの人間がすべきことなのかもしれません。

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