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【ペットの防災】地震発生時にペットをどう守る?

近年、人間と生活するイヌやネコを代表とする動物達は、単なる「ペット」から「家族の一員」と言われることが多くなってきました。

地震大国日本では、人間だけでなくペットも被災をする可能性があります。

そこで今回は、地震発生時のペットの扱いや、日頃からできる備えを具体的に紹介していきます。

基本は「同行避難」

東日本大震災発生後、飼い主と離れ離れになったり、取り残されたペット達についての報道も増え、「ペットの防災」に対する認識が高まっています。

これを裏付けるかのように、環境省が、自治体向けに発行している災害対策用資料「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」(平成25年6月)は、「人とペットの災害対策ガイドライン」(平成30年3月)に改訂されています。

また、一般飼い主編も同年9月に発行されています。

この中で、ペットを守るためには一緒に避難する「同行避難」が重要だとされています。

とはいえ、避難先での実際の動物受け入れ可否や扱いについて最終決定するのは、避難所の責任者(施設管理者)です。

そのため、飼い主は状況に合わせて複数のパターンを講じておくことが必要です。

先に紹介した一般飼い主向けの資料では、被災時の大切な心構えが書かれています。

具体的な避難フローなども記されていますので、是非一読することをお勧めします。

<飼い主のみなさまへ>

災害でペットを守ることができるのは飼い主だけです。

自分が無事でないとペットは守れません。

以下の3 点が重要になります。

1. 飼い主が自らの安全を確保することが、災害時にもペットを適切に飼養することにつながる

2. 健康面やしつけを含めたペットの平常時からの適正な飼養が、最も有効な災害対策になる

3. 災害時にはペットを落ち着かせるとともに、逸走やケガなどに注意して、ペットとともに避難する




(環境省 災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3009a/a-1a.pdf

いざという時のために備えておくこと

地震はいつ起こるかわかりません。もし一人で外出している時にだったら?一緒にいる時でも、自宅が損壊したら?

どのような状態で、地震にあうか分かりません。

日頃からのできることを紹介します。

住まいの防災と居場所確保

普段室内でペットが生活している場合は、ペットがいる場所やケージに家具などが倒れる危険が無いか確認しましょう。

【チェックポイント】

・家具などの転倒、転倒防止対策がされているか

・窓や棚など、ガラスの飛散防止対策がされているか

・いざという時に、逃げ込める場所(ゲージ等)があるか

・夏季の場合、地震で停電が発生した際、熱中症リスクを減らせるもの(冷感シートなど)が置いてあるか

・屋外飼育の場合、倒壊する可能性のあるブロック塀がないか

備蓄品の確保

避難所にペットへの支援品が届かないことや動物病院が被災することも考えられます。 健康や命に係わるものは、入手できなくなることを前提に備蓄しておく必要があります。

【チェックポイント】

・薬

・ペットフード

・水

・食器

・キャリーケース

・リードと首輪

・排泄物処理用袋

・ペットシーツ

行方不明にならないために

首輪や鑑札札をつけましょう。マイクロチップを装着していれば更に安心です。

しつけと健康管理

同行避難を余儀なくされた時、様々な人が集まる避難所には、動物が苦手な人やアレルギーを持つ人もいます。

飼い主がきちんとコントロールできる状態にしておくことが必要です。

また、ペット自身も、被災して怯えている時は身体的なケガだけでなく、精神的ストレスを抱えることになります。 

飼い主のそばにいることで安心できるよう、日頃から信頼関係を築いておくことが非常に大切になります。

<犬の場合>
□「 待て」「おいで」「お座り」「伏せ」などの基本的なしつけをする
□ ケージなどの中に入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておく
□ 不必要に吠えないようにしつける
□ 人や他の動物を怖がったり攻撃的にならないように慣らしておく
□ 決められた場所で排泄ができるようにする
□ 狂犬病予防接種(義務)に加え各種ワクチンを接種する
□ 犬フィラリアやノミ・ダニなどの寄生虫を予防、駆除する
□ シャンプーやトリミングにより身体を清潔に保つ
□ 不妊去勢措置を行う
<猫の場合>
□ ケージなどの中に入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておく
□ 人や他の動物を怖がらないように慣らしておく
□ 決められた場所で排泄ができるようにする
□ 各種ワクチンを接種する
□ 寄生虫を駆除する
□ 不妊去勢措置を行う
□ できる限り室内で飼養する
 (放し飼いだと災害時に行方不明になることが多い


(環境省 災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3009a/a-1a.pdf

まとめ

どのような状況になっても、家族の一員として迎えたペットの命を守ることが飼い主の責任です。

人間のように言葉を話すことや自分自身で行動できないペットにとっては、飼い主が全てです。

非常事態(=地震)が起こった時こそ、飼い主の真価が問われるといっても過言ではありません。

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