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気候変動が災害に与える影響は!?

近年、巨大台風や多発する集中豪雨などの影響により、火災保険で対応する事故のうち6割超の原因を自然災害が占めるようになっています。また、連日の猛暑日、ゲリラ豪雨、熱帯に生息する魚の北上など、従来になかった気候変動に関するニュースも当たり前になってきました。

そこで、近年問題視されている気候変動(気象温暖化)と災害に与える影響について、一般財団法人日本気象協会 メディア・コンシューマ事業部 気象予報士 桑原 真輝様に質問してみました。

Q. 実際に気候はどのように変わっているのでしょうか?

A. 気象庁の調査によると、平均気温の100年あたりの上昇ペースが、世界で0.73℃なのに対して、日本では1.28℃のペースで上昇しています。さらに、真夏日(日平均気温が30℃以上)や猛暑日(日最高気温が 35℃以上)の日数も増加傾向にあります。都市部では、ヒートアイランド現象も相まって、北日本や東日本では(夏よりも)冬から春に、西日本では春や秋で平均気温の上昇が大きくなっています。

こういった気候変化によって、熱中症による健康被害や風水害などの恐れが増加するだけでなく、農作物の生育にも影響を与え、さくらの開花日が早くなるなど、日常生活にも大きな影響を及ぼします。

Q. 気候変動により、災害は増加するのでしょうか?

A. 降水量に注目すると、1時間で50㎜を超えるような豪雨が増加する一方で、雨が一切降らない日も増えています(気象庁調査)。温暖化で気温が高くなると、水蒸気が飽和しにくくなり、雲ができにくくなりますが、ひとたび上昇気流ができて雲が発達すると、短時間で大量の雨を降らす豪雨になります。つまり、大雨による冠水や河川の氾濫だけでなく、干ばつや渇水など、両極端な気象現象に注意が必要です。

また、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル )の報告によると、おおむね「猛烈な台風」に相当する台風の発生数が増加し、より北の緯度で強度のピークに達している可能性があります。言い換えると、上陸した際に台風が従来より強い勢力にあるということを意味しています。

Q. 気候変動への対策の一環として、国連でSDGsが採択されていますが、御社でお取組みの内容を教えてください。

A. 日本気象協会では、気象に関するプロフェッショナルとして、様々な取り組みを行っています。みなさまが日々を安全・快適に過ごせるように、天気予報専門メディア「tenki.jp」で気象情報の発信をしております。

さらに、激甚化する気象災害に直面する企業様に対して、気象リスクのコンサルティングを通じ、被害の軽減や対策を提案しています。また「Eco×ロジプロジェクト」では、天気に左右される商品の売れ行きを予測し、フードロスの軽減に貢献しています。

桑原様、ありがとうございました!

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